第1章: 新たな始まり~美容師からインフラエンジニアへ~

太郎は、学校を卒業した直後から美容師としてのキャリアをスタートさせた。彼は髪を切ることやスタイリングをすることに対する情熱を持っており、美容学校での学びを楽しみにしていた。美容師になる夢は、彼の心の中で長い間燃え続けていた。

美容学校を卒業すると、太郎は地元の有名な美容院で働き始めた。最初の数ヶ月は研修期間で、彼はシャンプーやカットの基本を習得するために一生懸命努力した。仕事仲間たちはフレンドリーで、太郎は新しい環境で受け入れられたことに感謝していた。

美容院での仕事は太郎にとって新鮮で刺激的だった。彼はお客様とのコミュニケーションを楽しんでおり、髪型やヘアスタイルの提案を通じてお客様を笑顔にすることが何よりも嬉しかった。しかし、時間が経つにつれて、太郎は美容師としての現実を直面することとなる。

美容院は見かけによらず過酷な労働環境だった。多くの日々、太郎は早朝から遅い夜まで働き、週末も休むことがほとんどなかった。シャンプーやカットだけでなく、お客様の要望に応えるために様々なテクニックを磨かなければならなかった。そのためには、時間外のトレーニングや練習が欠かせなかった。

さらに、美容院の給与体系は厳しいものだった。太郎は基本給に加えて売上げに応じた歩合給をもらっていたが、競争が激しく、お客様を取ることが難しい時もあった。給与は不安定で、生活費をまかなうのが大変だった。さらに、残業代は滅多に支払われず、太郎は過酷な労働に対する報酬が不十分だと感じるようになった。

美容師として働くことは太郎にとって情熱的であり、お客様に喜んでもらえることは何よりも満足感を提供してくれた。しかし、労働環境の過酷さと給与の不安定さが、次第に彼の心に影を落としていった。

ある日、太郎は美容院の同僚たちと話している中で、新しい道を模索する決断を下すことになる。彼らはブラック企業での経験を共有し、将来の展望を語り合った。その中で、太郎はITエンジニアへの転職を考えるようになった。(続く)