横山太郎は、小さな町で生まれ育ち、大学を卒業してから地元で働くことになった。彼は幼少期からコンピューターやプログラミングに興味を持っていたが、親の期待に応えるために大学ではビジネス関連の学科を選んだ。卒業後、地元の中小企業に営業担当者として就職し、初めての社会生活が始まった。
最初の数ヶ月は、太郎にとっては新しい経験の連続だった。彼は製品の説明や顧客対応に奔走し、営業ノルマを達成するために日々努力した。しかし、次第に彼は会社の実態を知るようになり、それが彼の絶望の始まりだった。
太郎の勤務時間は朝早くから深夜まで、週末も休みなく働かされた。給与は低く、ボーナスも期待できない。上司からは無理なノルマを押し付けられ、顧客からのクレームには常に対応しなければならなかった。そして、残業代も支払われず、太郎は過労で体調を崩すこともしばしばだった。
会社内の環境も険悪だった。同僚たちは競争心が強く、情報を隠し、自分の地位を守るために手段を選ばない人もいた。仕事場は非常にストレスの溜まる場所となり、太郎は日々の業務に悩まされた。
さらに、太郎は休みの日にも仕事の電話やメールが殺到し、仕事から逃れることができなかった。友達との時間や趣味を楽しむ余裕はなく、彼の生活は仕事に支配されていた。
この状況が数年間続いた。太郎は夢を諦めず、いつかはITエンジニアになることを心に誓っていたが、現実は彼にとっては絶望的に感じられた。ブラック企業の縛りに苦しむ中で、彼は新たな出発を決意することになるのだった。（続く）