第2章: 転職への第一歩~電気工事士、未知からのコーディング~

新たな始まりを告げた電話から数週間後、大野は新しい職場への第一歩を踏み出す日がやってきた。彼は前職の厳しい環境から解放され、未経験からのITエンジニアとしての道を歩み始めることに胸を躍らせていた。

新しい職場は、高層ビルの中にあるモダンなオフィスだった。明るい窓からは街の景色が広がり、社内は活気に溢れていた。大野は周囲の新しい仲間たちに囲まれ、最初の日の朝礼に参加した。彼は自己紹介を行い、未経験者であることを率直に伝えた。しかし、仲間たちは歓迎の言葉と笑顔で迎えてくれ、緊張もほぐれた。

大野の最初の課題は研修プログラムへの参加だった。そのプログラムは新入社員や未経験者向けに設計されており、基本的なプログラミング言語から始まり、システム設計やデータベース管理などに関する知識を習得する内容だった。大野は真剣に取り組み、質問や疑問が生じるたびに、先輩エンジニアやインストラクターに助けを求めた。

新しい知識を吸収し、スキルを高める日々が続いた。大野は夜遅くまで勉強し、週末もプログラミングの課題に取り組んだ。彼の努力と情熱は次第に実りを結び、プログラムの理解が深まり、自信を持ってコーディングができるようになった。

そして、数ヶ月が経過し、大野は新しいスキルを活かして実際のプロジェクトに参加する機会を手に入れた。最初のプロジェクトはWebアプリケーションの開発だった。彼はチームの一員として、要件定義から設計、開発、テストまでのプロセスに積極的に参加し、新しいアプリケーションを生み出す過程に興奮した。

新しい職場での生活は前職とは対照的だった。残業はある程度発生したものの、労働時間は適切に管理され、休日も確保された。給与も前職よりも高く、安定感を感じることができた。さらに、上司や同僚は助け合い、チーム協力を大切にし、彼の成長をサポートしてくれた。

大野は自分の夢に向かって一歩ずつ前進し、新しい職場での挑戦に打ち込んでいた。未経験から始まったこの新たなキャリアの道は、彼に希望と成長をもたらしていた。(続く)